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ケラチンタンパク
毛髪の主成分である蛋白質は、シスチンを14
〜 18%含むケラチンという物質です。
ひとくちにケラチンといっても、人毛羊毛爪などは硬い硬ケラチン(オイケラチン)、皮膚は軟らかい軟ケラチン(プソイドケラチン)
として区別されます。
毛や爪を燃やすと異様な臭気が出ますが、これはシスチンが分解して生じた硫黄化合物の臭いです。
一般に、蛋白質は約20種類のアミノ酸から成り立っていますが、アミノ酸の種類やそれぞれの含有量によって、その形状や性
賀は大きく異なっています(たとえば、卵白の蛋白質アルブミンは水溶性、熱凝固性という特徴がある〕。
ケラチンは約18種類のアミノ酸からできており、その組成の一例を挙げると下図のようになります。
《繊維蛋白のアミノ酸組成(%)》
| アミノ酸 |
人毛ケラチン |
羊毛ケラチン |
人の表皮 |
絹フィブロイン |
| グリシン |
9.5 |
5.2 |
6.0 |
41.2 |
| アラニン |
4.0 |
3.7 |
|
33.0 |
| バリン |
4.7 |
5..0 |
4.2 |
3.6 |
| ロイシン |
9.1 |
7.6 |
(8.3) |
0.9 |
| イソロイシン |
2.2 |
3.1 |
(6.8) |
1.1 |
| フェニルアラニン |
2.7 |
3.4 |
2.8 |
3.4 |
| ブロリン |
3.7 |
7.3 |
3.2 |
0.7 |
| セリン |
7.6 |
9.0 |
16.5 |
16.2 |
| スレオニン |
7.2 |
6.6 |
3.4 |
1.6 |
| チロシン |
3.1 |
6.4 |
3.4 |
11.4 |
| アスパラギン酸 |
8.0 |
6.7 |
7.2 |
2.8 |
| グルタミン酸 |
14.8 |
15.0 |
12.3 |
2.2 |
| アルギニン |
9.6 |
10.5 |
8.8 |
1.1 |
| リジン |
2.6 |
2.8 |
5.1 |
0.7 |
| ヒスチジン |
0.9 |
0.9 |
1.2 |
0.4 |
| トリプトファン |
0.7 |
2.1 |
1.1 |
0.6 |
| シスチン |
16.0 |
11.3 |
3.1 |
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| メチオニン |
1.0 |
0.7 |
1.8 |
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この表でわかるとおり、毛髪ケラチンは、塩基性アミノ酸のヒスチジン、リジン、アルギニンの比率が1:3:10になっています。
この比率は毛髪ケラチン特有の比率で、他の蛋白質には見られません。
人毛と羊毛の成分はほとんど同一のように思われやすいのですが、シスチンの含有量は人毛の方が40〜50%多くなっています。
また人毛であっても、遺伝、生活環境、食事、美容処理などの影響で、アミノ酸、特にシスチンの含有量が異なります。
なかでも食事の影響大きく、たとえば次のような報告かあリます。
少し古い例ですが、栄養パランスの重要性を示すデータてす。
「粟と少量の動物性蛋白質で育てられた日本人の子供(8〜9歳〕の毛髪のシスチン含有量は8.%と低かったが、サメ肝油を
与えるとその含有量は著しく増加し、また、食事とともに脱脂粉乳を6ヶ月間与えると、シスチン含有量はさらに増加した。
このような、食事による蛋白質のアミノ酸組成のアンパランスの影響は、ただ単に毛髪だけに限られるのではなく、からだ全般に
ついてもいえることです。
現在では、このデータ当時のような、いわゆる栄養失調のような状態は考えられないと思われるかも知れませんが、ダイエットフ
ーズの献立や、アトピー性皮膚炎の除去食などに慎重さが要求されるところです。
毛髪を構成している毛表皮、毛皮質、毛髄質のそれぞれの化学成分、分量は同じではありません。
また、シスチンは分析中に化学変化を受けやすいため、分析方法等によっても多少異なってきます。
しかし、他の螢白質には存在しないか、あるいは微量しか存在しないシスチンが、ケラチンには多量に含まれていることは問
違いない事実てす。 このことが、ケラチンの性質を特徴づけているといえます。
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