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(1)毛髪と皮膚組織
ともすれば、毛髪は「勝手に生え、勝手に成長している」と思われがちですが、皮膚組織の一器官として人間の中枢である脳を守り、人体の生理機能及び心と脳・神経の恒常性を保ち、且つ頭皮組織を守りながら自己の生命活動を行なっています。
一方、体内では毛髪の生命を支える為に血液を作り、酸素を吸収し、水と栄養を取り入れ、これ等を供給する為には、多くの臓器と組織が活動し、頭皮においても皮膚組織、毛脂腺器官が毛髪と密着し、それぞれの役割を果たしながら、その生命を支えています。
毛髪は、発生学的から見れば、皮膚の変化したものとされ、従って毛髪の生成と他の組織との相関を知るには、皮膚組織を理解する事が前提となります。
@皮膚組織

(2の1図)に示すように、頭皮の組織は毛組織、表皮、真皮、皮下組織、血管、リンパ、神経、汗腺、皮脂腺、毛穴などからなり、毛髪の生成と成長はこれらの正常な生理機能によって支えられています。
1.表皮
表皮は外側から順に角質層、顆粒層、有棘層、基底層からなり、平均0.2mm程の厚みがあるとされています。
最下部にある基底層には未分化な細胞、ケラチノサイトが毛細血管から酸素、水、アミノ酸等の栄養を受け取り、酵素の働きによって分裂増殖をし、繊維性の硬質なタンパク質ケラチンを生成します。
更に基底層には、色素細胞が 分裂増殖した細胞にメラニン顆粒を分泌して、皮膚の色付けをします。
このようにして生成されたケラチンは、次々と上層に押し上げられながら、有棘層、顆粒層を形成し、この間に徐々に水分を失ってゆき、角質層を形成しますが、角質層における水分の含有率は約30%とされ、アミノ酸、核酸、乳酸等からなる天然の保湿因子N,M,F(Natural Moisturizing Factor)と皮脂腺より分泌される皮表脂質によって、頭皮の柔軟性保湿機構が保たれます。
角質層は最後にはアカとなって剥がれ落ちますが、ケラチンが生成されてアカとなって剥がれ落ちるまでの新陳代謝の課程には一定のリズムがあり、その周期は28日間とされています。
角質層は外部からの異物の侵入を阻止し、刺激や衝撃を緩衝し、毛髪や表皮の下側にある真皮層や組織、更に体内も保護する働きがあります。
特に、角質層と顆粒層の一部かかる範囲には、オイルゾーンと呼ばれる油膜層があり、パーマ液やヘアダイ液、その他親水性の化学薬品や化学合成化粧品、化学物質の皮下ヘの浸透を妨げ、生体を保護しようとします。
この為に水溶性の育毛剤や化粧品等の吸収率が低下することから、発毛や育毛に携わる者にとっては、オイルゾーンの存在は非常に不利な要因となる場合があります。
2.真皮
真皮層には、無数の血管や毛細血管、リンパ、神経などが分布し、組織液の確保、免疫機構の保持をし、毛組織や毛脂腺器官の生理機能を維持しています。
真皮層は、表皮基底層の下部に位置し、表皮との境目には乳頭と呼ばれる突出部を作り、表皮と交わり、その下には網状層があります。
網状層はフィブロブラストと呼ばれる繊維芽細胞が、毛細血管から酸素、水、アミノ酸等の栄養を受け取り、酵素の働きにより分裂増殖して生成されるコラーゲン(膠原繊維)とエラスチン(弾性繊維)が網目のように絡み合い、その隙間を間充物質で満たしています。
間充物質は、繊維の生成物質となるリン脂質等の疎水性分とヒアルロン酸等からなる高分子親水成分がゲル状に存在し、頭皮の弾力性、柔軟性、保湿機構を保持します。
真皮層は硬い頭蓋骨と表皮の間にクッションとして存在し、血液やリンパ、組織液の流動性を保持すると共に、外部からの衝撃や摩擦、頭皮の緊張を軽減する機能があります。
「鉄板のように硬い頭皮」と例えられる硬化した頭皮は
○石油シャンプーと俗称される化学合成原料を成分とするシャンプー剤や育毛剤等の使用による蛋白組成の溶解、凝固、破壊
、組成の破壊
○電磁波(紫外線など)による、コラーゲン、エラスチンの繊維質の破壊
○不規則な生活、自己管理の怠慢等による、ストレス抑制ホルモンコルチゾール、エストロゲン、セロトニンの分泌の減少
○老化による基質の減少
等に起因しますが、頭皮が薄くなる現象も同じ要因から発生します。
このようなマイナス要因が続くと、真皮層機能の恒常性が低下し、頭皮は柔軟性、保湿機能を失い、血流障害を起こし、結果的には栄養障害として頭皮温度を低下させます。
頭皮温度が低下すれば、酵素の働きが低下し、毛母細胞における受容体の機能が低下し、分裂増殖がスムーズに行なわれなくなり、脱毛、薄毛、毛周期の短縮を起こしながら退化して行きます
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